2017年にテレビ東京の深夜枠で放送され、NETFLIXで配信されるや瞬く間に話題となったグルメ番組『ハイパーハードボイルドグルメリポート』。

食事とは何なのか? 生きるとは何なのか?

普通のグルメ番組と一線を画するこの番組の魅力についてお伝えしていきます!

『ハイパーハードボドグルメリポート』ってどんな番組?

2017~2018年にテレビ朝日の深夜枠で、全5エピソードが放送されたグルメ番組です。

お笑い芸人の小籔千豊さんが見届け人として出演しています。

「グルメ番組」とうたってはいますが、他のグルメ番組とは一味違うのは、番組のコンセプトを見れば一目瞭然。

食うこと、すなわち生きること。
食の現場にすべてが凝縮されている。
これは、ヤバい人たちのヤバい飯を通して、
ヤバい世界のリアルを見る番組。

テレビ東京公式サイトより引用

このコンセプトを軸に、リベリアの墓地に住む元人食い少年兵や台湾マフィア、アメリカのギャング、シベリアの宗教団体といった、普段見ることのできない本当にヤバい人たちの「ヤバい飯」を撮影した番組です。

番組を担当したのは、入社7年目、平成生まれのプロデューサー上出遼平氏。
入社1年目から『世界ナゼそこに? 日本人』や『ありえへん∞世界』などで海外ロケが多く、ヤバいエリアを数多く取材していたんだそう。

その経験を生かして、テレビ東京内の「若手チャレンジ枠」で出した企画が通り、この番組がデビュー作となりました。
ギャラクシー賞の月間賞にも選ばれるなど高い評価を得ています。

放送時の視聴率は高くなかったものの、NETFLIXで配信されたことをキッカケにネットで話題に。

有吉弘行さんや、田原総一朗さんなど、著名な人たちをも虜にしました。

2019年7月には、続編『ウルトラハイパーハードボイルドグルメリポート』も放送され、ますます話題となっています。

 

『ハイパーハードボドグルメリポート』が人を惹きつけるわけ

ハイパーハードボイルドグルメリポート

出典元:https://www.tv-tokyo.co.jp/hyperhard/

「生きるために食べる」食を通して人間の本質に気づかせてくれる

「食うことは、すなわち生きることだ」

日本にいると忘れがちな「食べる=生きる」という人間の本能を思い出させてくれる番組です。

ただ黙々とむさぼる1食、お腹が満たされてくると緩む顔……ありのままの人の姿、本質が、画面を通してひしひしと伝わってきます。

何が幸せで何が不幸なのか、性別、人種、境遇、価値観、「食べる」という行為を通して見えてくるさまざまな現実が、淡々と映し出されています。

 

知ることのできなかった人々の生活を垣間見れる

アメリカのギャングやシベリアの宗教団体など、部外者は見ることができなかったり、テレビなどでは放送されないありのままの生活を、食事を通して見ることのできるのも、この番組の魅力の一つ。

それぞれの置かれた場所で、自分の生活のため、信念のため、家族や仲間のためにたくましく生きる人たち。

どんなに状況の中でも、持つ密かな夢。

食を通して垣間見える人々の生活や価値観が、なんの装飾もなくありのまま淡々と映し出されているからこそ、見る人を惹きつけてやまないのでしょう。

 

『ハイパーハードボドグルメリポート』を見た感想

ハイパーハードボイルドグルメリポートーセルビア

画像元:https://www.tv-tokyo.co.jp/hyperhard/

もともと、日常生活の中で人々が食事をしている場面を見るのが好きで、何気なく見てみたこの番組。

ご飯を食べる姿から人としての「本能」を感じて、心を揺さぶられました。

まさにこんな番組見たかった! テレ東さん、さすがです!

まず最初に感じたのは、「生きるために食べてるときって、ただもくもくと淡々と食べるんだなぁ」ということ。
まさに「むさぼり食う」という感じ。
そうして食べられる食事は、どれも美味しそうに見えてしまう不思議。

特に元兵士だった女性の愛らしさと、ハンバーガーをおごってもらった難民の静かにひたすら食べる姿が印象に残ります。

 

そして、ギャングでも元兵士でも、根は純粋で優しい。
それと同時に、何が良くて悪いかは立場によって変わるという現実。
それでも、人として求めるものは同じ。

なんか色んなものを感じさせられ、あらためて恵まれた環境にいることを実感したり……
でも本当に幸せなのか? とか考えてみたり……

こうした世界の現実をありのまま見せてくれる番組を、もっと見たいと思いました。
自分に何ができるか分からないし、何もできないかもしれないけど。

 

そして、ディレクターさんたちの勇気と、人の生活のなかにスッと入っていくコミュニケーション力、そして何よりも、浮かんだ疑問を素直に投げかける質問力が素晴らしい。

「ギャングはなんで争いをしているの?」

「カルト集団と言われているけどどう思う?」

「人を殺したことある?」

「国境越えは怖くないの?」

私だったらそういう疑問は浮かんできても、本人を前にしたら絶対に聞けないであろう質問の数々を投げかけ、それに対してみんなちゃんと答えてくれるんですよね。

報酬目当てという人もいるのかも知れないけど、登場する人たちはみんな根は優しくて純粋。
そうした一面を知れたのも1つの発見でした。

小藪さんが、見届けているのもとても良かった。
大げさにリアクションするでもなく、冷静に客観的に見て発するコメントが優しい。

本当に見て良かった番組です。

 

【あとがき】『ハイパーハードボイルドグルメリポート』は一度は見るべき番組!

ハイパーハードボイルドグルメリポートーアメリカ

画像元:https://www.tv-tokyo.co.jp/hyperhard/

生きるための食事、それを通して見えてくる世界の人々の暮らし、現実。
どんな状況下でも生きるために食べる人々のエネルギー。

この番組を見て、きっとあなたも何かを感じるはずです。

『ハイパーハードボイルドグルメリポート』はParavi、NETFLIXで、『ウルトラハイパーハードボイルドグルメリポート』はParaviで観ることができます。